ワキ汗・ワキのニオイの治療を調べると、ミラドライ・ビューホット・汗止め注射(ボトックス)といった名前が出てきて、「結局どれがいいの?」と迷いがちです。この記事では、それぞれの違いを持続・費用・ダウンタイム・向き不向きで整理し、選び方を汗の治療を専門とする医師が解説します。
ワキ治療の全体像(3つの選択肢)
ワキの汗・ニオイに対する代表的な治療には、次のようなものがあります。
- 汗止め注射(ボツリヌス毒素注射):汗を出す指令を一時的に抑える注射。手軽でダウンタイムが軽い。効果は数ヶ月。
- ミラドライ:マイクロ波でワキの汗腺にはたらきかける、切らない機器治療。持続性が高いとされる。
- ビューホット:高周波(RF)を用いる治療で、一部のクリニックで提供されています。
当院では、このうちミラドライと汗止め注射を行っています。本記事では、患者さんからよく比較されるこの2つを中心に、ビューホットも選択肢の一つとして触れながら整理します。なお「ワキ汗止め注射」は、単体よりも他の治療と比べながら検討される方が多い治療です。
知っておきたい「国内での承認状況」の違い
・ミラドライは、重度の原発性腋窩多汗症の治療機器として、日本国内で薬事承認を受けています(2018年6月承認/医療機器承認番号 23000BZX00161000)。
・一方ビューホットは、日本国内では未承認の機器です(韓国製のマイクロニードルRF機器)。国内で行う場合は、医師の責任のもとで個人輸入した機器を用いることになります。未承認機器による治療を検討する際は、その点やリスクの説明を受けたうえで判断することが大切です。
比較表(持続・費用・ダウンタイム・痛み)
あくまで一般的な目安としての比較です。実際の効果・費用は状態やクリニックにより異なります。
| 項目 | 汗止め注射 | ミラドライ | ビューホット(参考) |
|---|---|---|---|
| 方法 | 注射 | マイクロ波(切らない) | 高周波(RF) |
| 持続の目安 | おおむね4〜6ヶ月 | 持続性が高いとされる | 施設により異なる |
| 1回の費用 | 比較的おさえやすい | 高め | 施設により異なる |
| ダウンタイム | ほぼなし(個人差あり) | 腫れ・赤みが出ることあり | 施設により異なる |
| 通院 | 効果が薄れたら再施術 | 必要に応じ追加(6ヶ月以上あけて) | 施設により異なる |
※ビューホットは当院では取り扱っておらず、上表は一般的な位置づけの参考です。詳細は提供施設にご確認ください。
「どれが一番いいですか?」とよく聞かれますが、正直なところ、唯一の正解はありません。たとえば学生さんや、まず試してみたい方には注射から、長く続く効果を重視する方にはミラドライから、とご提案することが多いです。費用と続けやすさのバランスで、その方に合う入り口を一緒に選びます。
こんな人は注射/ミラドライ
汗止め注射が向きやすい方
- まず手軽に・費用をおさえて試したい
- ダウンタイムをできるだけ避けたい
- 夏のシーズンだけ汗を抑えたい、など期間を区切って使いたい
ミラドライが向きやすい方
- 数ヶ月ごとの再施術(通院)を続けるのが負担に感じる
- 長く続く効果を重視したい
- 切る手術は避けたい
それぞれの詳細は、ミラドライ完全ガイドとワキの汗止め注射ページでご確認いただけます。
費用と回数の考え方
「どちらが結局おトクか」は、どのくらいの期間・頻度で続けるかによって変わります。注射は1回あたりの費用はおさえやすいものの、効果が数ヶ月で薄れるため繰り返しが必要です。ミラドライは1回の費用は高めですが、持続性が高いとされます。
| メニュー(当院・税込) | 料金の目安 |
|---|---|
| ワキ汗止め注射 Sプラン(25単位×両ワキ) | 33,000円(韓国製)/44,000円(アラガン社製) |
| ワキ汗止め注射 Lプラン(50単位×両ワキ) | 66,000円(韓国製)/88,000円(アラガン社製) |
| ミラドライ シングル照射コース | 290,000円 |
| ミラドライ ダブル照射コース | 380,000円 |
最新・詳細の料金は料金ページでご確認ください。いずれも自由診療です。
迷ったときの選び方
迷ったときは、次の順番で整理すると決めやすくなります。
- 悩みの中心は? 汗か、ニオイか、両方か。
- どのくらいの期間つき合うか? 一時的でよいのか、長く続く効果がほしいのか。
- 予算とダウンタイムの許容度は? 1回の費用、通院の頻度、休みの取りやすさ。
この3つがはっきりすると、注射・ミラドライのどちらが入り口に向くかが見えてきます。判断に迷う場合は、カウンセリングで状態を確認しながら一緒に決めましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. ミラドライとビューホット、どちらがいいですか?
A. 方法(マイクロ波と高周波)や提供施設が異なり、どちらが優れていると一律には言えません。当院ではミラドライを扱っています。ビューホットの詳細は提供施設にご確認ください。
Q. 注射とミラドライ、どちらがいいですか?
A. 手軽さ・費用を重視するなら注射、長く続く効果を重視するならミラドライが一つの目安です。汗の量や続けやすさで変わるため、診察でご相談ください。
Q. 費用の違いはどのくらいですか?
A. 当院ではワキ汗止め注射が33,000円〜(税込)、ミラドライがシングル照射コース290,000円〜(税込)です。注射は繰り返しが必要なため、続ける期間で総額の考え方が変わります。
参考文献
- 原発性局所多汗症診療ガイドライン 2023年改訂版(日本皮膚科学会)
- 皮膚科Q&A 汗の病気―多汗症と無汗症―(日本皮膚科学会)
- 「miraDry(ミラドライ)®システム」薬事承認取得に関するご案内(株式会社ジェイメック/医療機器承認番号 23000BZX00161000)
